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心臓病の薬物治療として一般的に
用いられる薬剤を病態別に以下に示す。

 狭心症 1. 抗血小板薬
2. β遮断薬
3. 硝酸薬
4. Ca拮抗薬 急性心筋梗塞/陳旧性心筋梗塞 1. 抗血小板薬
2. β遮断薬
3. ACE阻害薬
4. 硝酸薬
5. 抗凝固薬
 慢性心不全 1. β遮断薬
2. ACE阻害薬
3. 利尿剤
4. 硝酸薬
5. 抗凝固薬
 高血圧症 1. β遮断薬
2. ACE阻害薬
3. Ca拮抗薬
4. 硝酸薬
5. 利尿剤
6. AT1受容体拮抗薬
薬物療法

虚血性心疾患をはじめ多くの心、血管病変、特に血栓塞栓症における広義の血液凝固機序 の重要性が示唆されており、冠動脈を含め、動脈血栓においては、血小板の粘着や凝集が血栓形成の始まりと考えられており、血小板凝集抑制薬を主体とする抗血小板療法が用いられている。
抗血小板療法の適応としては不安定狭心症、心筋梗塞、脳血管障害の二次予防、冠動脈バイパス術後などである。

抗血小板薬と同様に血栓塞栓症の治療、予防に用いる。ビタミンK依存性凝固因子の生成を阻害する作用がある。適応に関しては上記と同様である。

ニトログリセリンは狭心症だけでなく急性心筋梗塞にも利点がある。主な作用は冠血管拡張と、末梢血管拡張による前および後負荷の軽減による心仕事量の軽減である。舌下錠、スプレーは速効性が期待できる。徐放錠、経皮吸収剤は効果持続が長く、狭心発作の予防に用いる。経口硝酸薬の慢性投与は、必ずしも長期予後に好影響を与えていない可能性があり、長期連用は避けるのが好ましい。

運動時の血圧上昇、心拍数の増加を抑制し、心筋酸素需要を低下させるので高血圧、頻脈性不整脈、心肥大等に対して用います。特徴としては、抗狭心症効果のみならず長期投与で心筋梗塞の発症の減少、死亡率や突然死の減少などの延命効果が期待できる点である。

抗狭心症作用は、心収縮力低下による酸素消費量の減少、全末梢血管抵抗低下による前後負荷の軽減、冠動脈スパスムの抑制作用がある。日本ではスパスムの関与する狭心症が多いのでCa拮抗薬がよく用いられる。また房室伝導抑制作用を有する薬剤もあり抗不整脈薬として利用されることがある。

アンジオテンシン?U生成系のうちレニン、アンジオテンシン酵素系を阻害することによる
血圧低下作用がある。最近では単なる降圧薬ではなく臓器障害の改善や進展予防が期待できる薬剤であることが明らかになっている。ただし副作用としては空咳が出現する場合がある。

A?U受容体に特異的に結合し血管収縮作用、体液貯留作用、交感神経亢進作用を抑制する。上記のACE阻害剤と異なり、キニンの分解を阻止する作用がなく、咳、発疹などの副作用が少ない。

利尿薬はうっ血性心不全、腎疾患、肝疾患に伴う浮腫、特発性浮腫などに対して用いられる薬剤であるが降圧作用を目的として使用される場合もある。

不整脈の多くは放置してよいものであるが、ときに致死的なものもある。薬物療法の適応を決定するには慎重でなければならない。というのも抗不整脈薬自体が催不整脈作用があるからである。(具体的には不整脈の項を参照。)