CTで捉えた冠動脈像

CT

CTとはX線透過型コンピューター断層撮影法の略であり、種々の領域の疾患における診断で大いに役立っています。

心血管系に関しては、以前より主に動脈瘤(解離性大動脈瘤など)の診断に用いられており、最近ではヘリカル(らせん走査型)CTの開発により画像処理が以前より高速になってきています。

マルチスライスCTによる冠動脈の健常例。左上図はVolume rendering 、心臓を立体的に表現できます。左下図はCurved MPR。0.625mmの細かい空間解像度で心臓カテーテル検査で行う冠動脈造影(右上、右下図)と同様に明瞭です。

マルチスライスCTで冠動脈疾患を早期発見

―プラークマップシステム(Plaque Map System)

大阪警察病院心臓センター内科では16列マルチスライスCTを用いて冠動脈の診断を行っています。これまでのCTでは、拍動して動く心臓は撮影できませんでしたが、マルチスライスCTは直径2mm程度の冠動脈まで明瞭に評価できます。造影剤は50-100ml、15分で撮影できます。
当院では独自の方法で、国内、海外を含めても造影剤を最も少ない量で検査できます。これにより腎機能障害の患者様でも安全に施行でき、その後緊急の心臓カテーテル検査が必要になった場合でも造影剤が過剰になりません。

図1は正常の冠動脈です。冠動脈造影と同様明瞭な画像が得られています。図2は胸痛が頻発され来院された方です。受診時心電図や血液検査は正常でしたが、胸痛の起き方から不安定狭心症を疑い緊急で冠動脈CTを行ったところ、左冠動脈に狭窄を認めたため、緊急で心臓カテーテル検査を行い冠動脈形成術(風船治療)に成功しました。

緊急冠動脈CTについても国内で実施できる施設はまだ数少なく、われわれの開発したカラー解析法プラークマップシステム(Plaque Map System: Komatsu et al. 2005)を併用し、冠動脈プラークを解析し、冠動脈疾患の早期発見に寄与しています。(小松 誠)